認知症の見守り
認知症の見守りと聞いて、介護経験のある方や認知症について学んだことのある多くの人が
見当識障害
道順障害
記憶障害
などと思い浮かべるかもしれません。
率直に申しますと、
認知症の方は歩き回ります。俗に言う徘徊です。
で、徘徊の何が問題かと言うと、本人にとっては別に問題ではないです。
ただ、世間的に・・・ちょっと・・・みたいな感じがあります。
よその家の前をウロウロしたり、よその敷地に入り込んだり、
迷子になったり・・・などなど。
要するに、社会の常識から外れた行動をしてしまう徘徊だから問題と
言われることが多いと思います。
僕もこれまでに、まあ、少なく見積もって300人程度の認知症の方を見てきました。
というか、作業療法士1年目~3年目までは
HDS-R:長谷川式簡易知能検査スケール(通称:長谷川)0点の患者を計100名は診ています。
というか、担当していました。
そういう病棟に勤務していましたし、
そういう方々を上手く活動に参加させることが僕の仕事でした。
まあ、ブログとかでこういうの書くと「まーた、盛って書いてる」とかって思われがちなんですが、
これ、事実なんですよね。
というか、ぶっちゃけ100人とかって一年で診ます。
結構頻繁に入れ患者さん替わるので。
なので、かなり少なく見積もって100人はいますという表現にしています。
話を盛るの好きじゃないので。
長谷川式0点の方って、想像できます?
僕は今、急性期病院に勤めていて8年になりますが、0点っていうのは滅多にいないです。
長谷川式を他人に実施したことがある人はわかると思うんですが、
だいたい、復唱で3点は取れるんです。(桜、猫、電車)とかで。
なので、0点というのは即時記憶がもう駄目なんです。
話を戻しましょう。
たとえば
その長谷川式0点の患者さんの家族が
大変熱意のある方で、
「是非とも自宅で介護したいんです」
という家族が稀にいます。
正直、僕としてはあまりオススメしません。
多くの場合、家族が疲弊します。
で、ちょっとネグレクト(虐待)っぽくなる。
普通に考えたらそうですよね。
自分の親がですよ?
自分を今まで育てて来てくれた、親がですよ?
ものすごく悪い表現なんですけど、
頭がおかしくなって、人様に迷惑をかける行動をするようになったら、
普通は怒りがこみ上げますよね?
これは器が小さいとかそういうレベルの話ではなくて
自分の親が壊れていく事を受容できない自分自身の葛藤の行き場がなくて、
ネグレクトという形になって表現されてしまう、と僕は思っています。
これに関しては倫理とかあれこれ出てきそうなんで、これ以上は言いませんが。
何が言いたいのかというとですね、
認知症が進んで、問題行動(行動障害:BPSDといわれます)が目立ち始めたら、
家族だけで頑張らずに、他者(専門機関)の力を借りることをオススメします。
はっきりいいますと、
認知症が進行していくと、家族の認識は困難になることが多いです。
僕の経験では、末っ子とかから記憶が消えます。
出会った順が早いほうが最後まで残る傾向があります。
なので、兄弟の中では第1子が最後まで残りやすい。
子供よりは夫が記憶に残りやすい。
夫よりは兄弟が残りやすい。
兄弟よりは親が残りやすい。
名前もそうです。
旧姓の方に反応する。
子供の頃のあだ名の方が反応する。
田舎育ちだと、実家の屋号に反応する。などです。
僕は、たった3年程度でしたが、長谷川式0点の認知症の方々と関わって
共通点があることに気づきました。
1.認知症の方は、皆それぞれ独自の世界に住んでいる。
2.認知症の方が語る話は、まるでページが破り取られた日記を読んでいるみたい。
アルツハイマーだろうが、脳血管だろうが、前頭側頭葉型だろうが、
上記はだいたいの認知症に当てはまると思います。
Pick病は別ですがね。
ここまで読んでくださっている酔狂なあなたに、
特別に、俺流のとっておき?の認知症ケアのコツをお教えしましょう。
それは
・認知症のケアのコツは、相手(患者)のツボを知って、上手く活用すること。
です。
なーんだ、と思った方もいるかもしれませんが、
これ、言葉にすると簡単なんですけど、
実践すると意外とたくさんの情報が必要になります。
しかも、本人のエピソードに沿っている必要があるという。
なので、認知症を売りにしている方がいましたら、
是非、ツボ探ししてみてください。
このツボ掴むと、めっちゃケアの誘導しやすくなります。
この件に関して、質問のある方は、返信遅れるかもしれませんが、コメント欄から
質問頂けましたら、返答させて頂きます。
ではでは。
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